Japanische Klassiker mit Furigana
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よしだしょういん
吉田松陰
徳富 蘇峰
Lesen Sie 吉田松陰 (よしだしょういん) von 徳富 蘇峰 (とくとみそほう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.622 Zeichen · 269 Bildschirme
而して彼らは二階の奥座敷を占め申し候。
下田見物のため罷り越せしと申せども、ただ着後直ちに自分の父を呼び寄せ下田の模様逐一聞きたるのみにて、その後は別にかけ廻りて見物する模様もなく、ただ寐たり転んだり立ったり坐りたりして日を送るのみにてこれ有り候。最もある日外より帰りがけに瘠形の小男自分の父に余り景色が面白きままに城山に登りたりと申し候を傍耳に記臆致し候。
右の瘠形の小男と申すは、満面薄き痘痕ばらばらと点じ、目は細く光りて眦りはきりきりと上に釣り、鼻梁隆起して何となく凸様の顔面をなし候。両頬は下殺し顎にチリチリしたる薄き蒼髯乱れ生じ、髪は大束の野郎に結び申し候。序ながらその来泊したる当時の風俗を申せば、木綿藍縞の袷衣に小倉の帯を締め無地木綿のぶっ割き羽織を着し、鼠小紋の半股引に脚半をあて前後に小き小包物を負いおり候(看よ看よ、一個の吉田松陰彼の話頭より活躍し来らんとす)。
この人はとんと衣服などには構い申さずと覚え、家にある時は勿論外に出るさえ羽織も着けず、ただ小倉の帯をぐるぐる廻したるのみにて御坐候。一切沈黙したる風にて、家内の者共にも何とも話し懸けず、ただ食後にはトントン廊下を運動し、時々は余りの足音にて家の者共は内々小言を申し候。