Japanische Klassiker mit Furigana
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のろいのダイヤモンド
呪の金剛石
野村 胡堂
Lesen Sie 呪の金剛石 (のろいのダイヤモンド) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.393 Zeichen · 28 Bildschirme
一
親しい同士が集った一座ですが、あまりの前口上の物々しさに、思わず固唾をのんで、名記者千種十次郎の若々しい紅顔を仰ぎました。
一
ある春の日の午後、新聞社の方へ、私の名を言って思いもよらぬ女が訪ねて参りました。それは、名前を言ったら、大抵の方は御存じでしょうが、舞踊家の春日野ゆかり。兎角の噂はありますが、美しいのと如才無いので評判の、あの女でした。
この女の宣伝上手は有名なもので、又例の門下生の舞踊大会をやるから、新聞で提灯を持ってくれ――位の事であろうと、高をくくって、用件は? と聞きますと、いきなり、
「先生、大変な事が出来ました。どうして宜しいのか、私には見当も付きません、どうぞ教えて下さいまし」
と、こう申すのです。平常から物言いや表情の大袈裟な女ですが、それにしても、今日は少し様子が変です。
「一体どんな事が起ったんだ」
「私は、この二三日変な人間につけ廻されて困って居るんです。汚らしい西洋人と、それから、日本人のハイカラな女と、それから……」
「オイオイ冗談もいい加減にしないか、不良少年につけられて困るというなら柄にある事で、理窟は通るが、汚い西洋人と、ハイカラな女につけられて居るんでは、恋にも詩にもなりはしない、何んか気の迷いだろう」