Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のろいのダイヤモンド

呪の金剛石

野村 胡堂

Lesen Sie 呪の金剛石 (のろいのダイヤモンド) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.393 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

二

キャラットにして、百二十、いやどうかしたら百五十以上あるかも知れないのです。

試みに、立ち上って窓ガラスへ当てて見ると、ガラスは紙のようにスーッと切れます。

「これは大変だ、どこから持って来たんだ」

舞踊家を顧みて聞くと、

「買ったんです」

「君が?」

「アラ、馬鹿になさるものじゃありませんワ、私だってそれ位のものは買えますワ」

「ヘエ、何百万円に」

「何百万円はよかったワネ、八円五十銭よ、随分高いでしょう」

商売柄に似ず、好んで和服を着る春日野ゆかりは、少しツンとした形ちで、恰好のいい髪と、立派な鼻筋を見せ乍ら、横の方を向いて、埃及模様のしゃれた襟をかき合せます。

二

いろいろ聞いて見ると、場所もあろうに、浅草の往来に店を出して居る、小汚い古道具屋から買ったものだと言います。

ハイカラな若い女が、大道の古道具屋の店先に立つのは、随分思い切った冒険ですが、春日野ゆかりはそんな事に驚くような柄の女ではありません。恐ろしいハイカラの癖に、好んで和服を着て、時々はおでんの立食いもやろうという変り者ですから、山猫を日向へ出したような、露天の古道具屋をからかって、抜差しならずに、色付のガラスとも、ソロモン王の王冠のダイヤとも、見当の付かないものを背負こまされたのでしょう。