Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
「いやところが君、それが君ねえ、うちの座長ときたらひどい握り屋でね、もちろん、入場無料の下足代五厘しかもらっていないこの芝居なんだから、そりゃいくらにもなりはしないことはわかっているがね、それにしても僕ら幹部にさえここ二カ月、びた一文だってあいつ支払わないんだ」
「…………」
いよいよそう聞けばひどい一座らしいが、しかし、しかし、それにしても酒代のだいぶ溜まっている下宿にいて針の刺さっているような飯を三度三度食べるよりは、せめて自力で働いて飯だけでも食べるほうが――。
「でも御飯は食べさせてくれるんでしょ」
もういっぺん訊ねてみた。
「ド、どういたしまして。一昨日から座からは雑用がつかなくなってしまったんだ。それでも座長めノンコのシャーとして、巧くもねえ手前の芸の能書ばかり並べてやがる。あまり忌々しいから今夜、大詰めのペスト退治のとこで、座長の野郎、洋行帰りの医学博士になりやがるんだがね。そいつを俺たち一同で袋叩きにしてずらかろうとこう考えているんだ。来るか君、それでも来るか君、うちの座へ……」
急に目の中へ、『ペスト予防劇 血桜団 攘夷五郎太郎一座』