Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
棒で打つ、足で踏んづける、靴で踏みにじる。いや、もうさんざんな目にあわされるんだ。だからたいてい怪我をするか、鼻血を出すか。なにしろうちあたりへくるのは下等のお客だからそのくらい手荒い目にしないとよろこばないんだ。むしろお客は大詰めのそのペストのめちゃめちゃにやられちまうところだけを唯一の楽しみにやってくると言ってもいいんだ。わかるかね」
「…………」
「だからペストになる役者は、あとからあとから病気になる。きのうも一人、目を廻して寝込んでしまった。もううちの座に代わりはいやしない。だから座長の奴、君がやってきたらとッても歓迎しやがったんだ。知らないで入ると、えらい目にあうぞ。どうだ君やめたらよかろう」
だんだん親身な調子になって言った。
「ハハー、なるほど……」
そう言われるとなるほどそうだが、しかし今の場合はまことに浅ましい話だが、たとえいくらでももらえたらいい。ちっとくらい目を廻そうと、肋骨が折れようと、ジッと下宿の三階にくすぶっているよりはいいじゃあないか。
「御忠告ありがとうござんす。しかし、私じつは今、たいへんに困ってるんです。で、いくらかになることなら、少うしくらい、怪我くらいしても」