Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
ところがあったっていいじゃないか。
ほんとにほんとに、どいつも、こいつも金のことばかり……――。
「なあ今松つぁん、いやだっしゃろなあんた」
ある晩、こう言ってポンと今松の肩を叩いた男があった。
自分と同い年の海老団治という落語家だった。親父も海老蔵という落語家で親代々の上方の芸人だったが、大阪の育ちに似げなく話し口があっさりとしていて上品だった。大阪の特色である尾籠なことや淫猥なことも、プツリとも口にしなかった。
「なにがです」
笑いながら今松は、色の白い役者のようなスッキリした男前のなかに、なかなか一刻そうなところのある海老団治の顔を見た。
法善寺、金沢席の楽屋だった。
頭の上の下座の座っている棚のようなところからもう夏らしい水芸の囃子が聞こえてき、高座には燕を思わせる色の肩衣つけた若い娘がスイスイ刀の切尖から水を噴き上げさせて喝采を浴びている姿が、姿勢よく座った海老団治の後ろの楽屋格子をとおしてチラチラ見えていた。
「いいや、大阪の落語家がですがな、ほんまにほんまに話せん奴らばかりで俺らむかつくことばかりや。あんたみたいな江戸っ子が見たら、どない思うてなはるやろ。