Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
一年中でいちばんめでたいのは正月だ。その次が盆だ。世間でも中元大売出しってワイワイ騒ぐだろう。いいか。そのめでたい正月に盆提灯を売りに出るンだ。たいてい縁起を祝って買うだろうじゃねえか」
「ア、なるほど」
「たとえにも言うだろう。だから盆と正月が一緒にきたようだって。その盆と正月をいっしょくたにしたものを売ろうてンだ。儲からねえわけがねえや。これが売れなきゃ東京は闇だ」
おかしさを耐えて彼は言った。
「わかったわかったよ。なるほど盆と正月か。そうだ、まったくその通りだ、ホ。こいつァ素晴らしい金儲けができそうだネ」
いつか、圓太郎はホクホク相好を崩していた。
「どうだ。いい思案だろう。その代わり圓太郎、儲かったら俺にパイ一飲ませなけりゃダメだゾ」
「あた棒だよ。そのときァなんでも兄貴の言う通りのものをおごってやらア」
圓太郎はもうすッかり一陽来福の新玉の春がやってきたような明るい気分にさえ、なってきている。そのとき拍手の音が五つ六つ起こって、勝次郎が下りてきた。入れ違いに今輔が高座へ上がっていった。が、圓太郎は腕こまねいたまま、そのほうへ目もくれないでいた。