Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
なにも商法だ。講釈をやっちゃ。それならば儲かる。たしかに儲かる」
「…………」
黙って今松は考え込んでしまった。
「どうしたい師匠。いやに沈み込んでしまったじゃねえか。あるだろうお前だってなにか聞き覚えの講釈種ぐらい。なんでもいいんだ。どうせ湯治場の退屈しのぎ、相手は素人だ。なんとかごまかしが付きさえすりゃいいんだから」
「エー……ですけれども……それがねえ」
やっぱりうなだれて考え込んでいたが、やがてのことに顔を上げると、
「じゃ、私の覚えてる噺をなんとか講釈らしくごまかしましょうか」
「そのことそのこと、それでいいんだ。なにを知ってる」
「たらちめです」
真っ先に言った。
「ななに」
「たらちめ」
「たらちめ? オイたらちめってオイ嫁さんがきて、元は京都の産にて姓は安藤、名は慶蔵ってあれだろう」
「あれあれ。正にあれ」
「オイあれあれをいったいどう講釈に?」
「ですからさ。あまり言葉がていねいで困るってんであの嫁さんを叩き出し、あとへ近所の芋屋の後家さんかなにかを引き摺り込んで仲好く暮らしている。すると三年目の丁度嫁さんを叩き出したてえ日の晩に、ヒュードロドロとお化けが出て、八さんの一家を憑り殺す」