Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
人間が純良であるだけに、打込むことが深いと見え、女は商売柄、いくらかの余裕もあり、手管があっても、兵馬は突きつめた心で、その言うことの全部を信用してしまいます。生一本に打込むようになると、自分が愛するだけ、他から愛してもらわなければ満足ができないものになってみると、相手はこの上もない大敵であります。幾人の男にも自在に許すことのできる立場にいる女を、恋の相手として持つことほど、気の揉めることはないはずです。落ちて行くところは、他人には指一本もささせずに、己れの一人の愛情で包んでしまわなければならないということだが、それをするには、この女を身請けして、生涯を保証するということが第一の問題になっているけれど、それは兵馬の力では覚束ないことで、女もまたそれを兵馬には期待していないのです。もしそんな場合に立至れば、兵馬でなくてもほかに心当りの客は、いくらもありそうなものです。今のところ、女は兵馬を可愛がり可愛がられて、勤め気を離れているというだけの気分ですけれども、兵馬には、もっと突きつめて、「世の中は金と女が敵なり、早く敵にめぐり逢いたし」――いつぞや辻講釈で聞いた冒頭の歌が、ひしひしと迫って来るようです。