Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

それを引捕えて糺明しようというのは、主膳の仕業としては有り得べきことに違いないが、それにしても、生きながら井戸へ投げ込むというのはあまりに惨酷である。さすがにお銀様も、いい心持でそれを聞いているわけにはゆきません……ところで盲法師の申しわけは、少しく意想の外でありました。

「それには仔細がございます、わたくしが、こんなところまで迷い込みましたのは、お屋敷の御様子をおうかがいしようなんて、そんなわけではございません、尺八の音色に聞き惚れて、ついついここまで参りましたのでございます。その仔細と申しますのは斯様でございます、わたくしが今晩、町を流して参りますと、ふと尺八の音が聞えました。わたくしは眼が見えませんから、音を聞くことが好きでございます。音には御承知の通り、宮商角徴羽などの幾通りもございます、また双調、盤渉調、黄鐘調といったような調子もいろいろございます、それをわたくしは聞きわけるのが好きでございます。そのほかに音というものは、人の心持によって変化が起るものなんでございます。心に悲しみを持った時は、喜びの調べを吹きましても喜びには響きません、心に楽しみを持ったときは、よし、悲しい音を吹きましても、その悲しみの中に喜びがあるのでございます、身体の壮健な時に吹く音と、病気の前に吹く音とは違っております。