Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

そのうちに土蔵の戸がガタピシとあいて、中から人が現われました。様子を見ていた連中は物蔭に隠れていると、中から現われたのはまず盲法師の弁信です。今宵は笠もかぶらず、例の法然頭を振り立てて出て来ました。ただおかしいのは、手に九曜巴の紋のついた、かなり古びた提灯を点して持って出たことです。それが倉から出て戸前を二三歩あるくと、そのあとから出て来たのは竜之助です。これは頭巾を被って、両刀を帯びて、竹の杖を持っていました。

竜之助が出ると、倉の戸前を引き立ててしまったから、多分、今宵も倉の中では、お銀様一人が留守居をするのでしょう。そうして出かけた二人は、今宵は尺八を持っていないのだから、彼等は別に目的があって出歩くものに違いありません。ただ、わからないのはその提灯です。持って前に立つ人も盲目です、あとについてたよりにする人もまた盲目です。盲目が盲目の手引をするのに、持つ人も持たれる提灯も変なものです。それと板倉家の定紋である九曜巴を、弁信が提げ出したことも何の意味だかよくわかりません。

「エエ、その辺にどなたかおいでになりますな、どなた様でございます」

弁信はこの時、例によって聞き耳を立てました。