Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
この広野原のいずれかを尋ねたならば、かならずその女の肉体がころがっているに相違ない。求めてその肉を食わなければ、渾身に漲る悪血をどうすることもできない。
それにしても、盲法師の弁信はどうしたろう。提灯が消えてしまったからとて、無事でいるならば、あのお喋り好きが何か文句を言い出さない限りはないのに、それが一言も言わないのは、かわいそうに、これも狂人の刃にかかって敢なき最期を遂げたのか。原をうずめていた無数の人だかりはどうしたものだ。狂人の勢いに怖れをなして一旦は逃げ散っても、また盛り返して取押えに来なければならないはずであるのに、四辺に人の近づく気配はない。
森閑として物淋しさが身に沁みると、夢ではないかと思います。夢でなければ狐につままれたものでしょう。巣鴨の庚申塚あたりには悪い狐が出没する。この場の座興に同勢を狩り催して、二人の盲人をからかってみたものかも知れない。
その時、遠音に聞えたのは鶏の鳴く音です。その鶏は宵鳴きをしたものやら、時を告げたものやら、いっこう要領を得ない鳴き音でありました。
続いてビョウビョウと犬の吠えるのが、まだ宵の口であるか、ただしは深夜の物音に驚かされたのか、それもハッキリとわかりません。