Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

「お連れさんは?」

当惑して立ちつくしていることやや暫く、すると中から声がありました。

「連れは女だ」

と竜之助は答えました。

「どうぞ、お通り下さいませ、お待ち申しておりました」

雨戸の枢を外すのも、やはり女の声でありました。

そこで、やれ一安心という気になって、戸の前に置き据えられた駕籠を振返って見ると、そこにはありません。

「オホホ、もう先廻りをしてここにお待ち申しておりました」

戸をあけて微笑んでいる女の面が、見覚えのある面であります。

「おお、お前はいつのまに――」

さすがの竜之助も、あっけに取られて、その女の面をながめました。まさしく見覚えのある女には違いないけれども、さて、誰を誰と言っていいかわかりません。

「ずいぶん長いことお待ち致しました、もうおいでになるだろう、なるだろうと思いまして、こうしてお仕事をしてお待ち申していましたけれど、いくらお待ち申してもおいでがありませんから、戸を締めました、それでももしやと気にかかるものでございますから、ああして行燈だけは、夜明し点けておくことに致しました」

何者とも見当のつかない女は、こう言いながら、懐しそうに竜之助の手を取って、広い座敷へ案内しました。