Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

「はい、まだ起きてお仕事をしておりました」

女の返事は、まことに、しとやかな返事であります。

「こんな夜更けまで、誰の着物を縫っているのだ」

「いいえ、誰の着物でもございませぬ」

と言いながら、女は再び針の手を運ばせて、

「たいそう夢に、うなされておいでのようでございました」

「ああ、妙な夢を見た」

「怖い夢でございましたか」

「怖いというほどの夢でもないが、見ている間は夢とうつつがよくわからなかったが、醒めてみると、やっぱり夢の通りだ」

竜之助の言うことは、まだ夢とうつつの境に彷徨うているもののようです。

再び夢路に迷い込んだ机竜之助は、またも旅中の人であります。行手を急ぐ一挺の駕籠に附添うて、いずこともなく走り行く己れを発見しました。

行手を急ぎながらも、心にかかるのは今宵の宿です。昨夕は板橋の宿にホッと仮寝の息を休めたけれども、今宵の宿が覚束ない。どこまで行って、どこへこの女を泊めていいか、それが心にかかる。

まもなく、一つのやや大きな宿駅を通りかかりました。

「ここはどこだ」

たずねてみると、

「八王子の宿でございます」

返事をするものがあったから、不思議に思いました。