Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

があったものです。

米友には、まだ「富」の観念がよく定まっておらないながらに、札場の中へ入って、人の蔭になって様子をながめていたものです。

世話人が箱の中から、錐で本札を突き出して番号を読むと、みんなが持合せの影札を見比べて、当ったものは嬉しそうに、当らないものは、しおらしい面をしています。当った番号は紙に書いて、向うの柱へ貼り並べられました。それが大変な人気ですから、札には利害関係のない米友も、つい面白くなって頻りに富札の景気を見ていました。

面白がって見ているうちに、一の富七十三番の札が落ちました。跳り上って喜んだのは品川宿の建具屋の平吉という若い男で、この百両が平吉の手に落ちることにきまると、当人も嬉ぶし、誰も彼も羨ましそうに見えました。平さんは札とひきかえにその百両を受取って、いそいそとその場を出かけると、平吉を知っている人が、あぶないものだ、平さんにあれを持たしては帰りがあぶないと言って眉をひそめたのは、その幸運をそねんで言うものとは思われません。また帰りに泥棒や追剥につけられるという心配でもなく、それは、平さんという男の人柄を見てもわかることで、持ちつけない大金を持ったため、途中、出来心でどんなところへひっかかってしまうかわからない。