Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

いつぞやも言う通り、平常はぐでんぐでんの骨無しみたような先生だが、ひとたび職務のことになると、打って変った忠実精励無類の先生のことだから、天下が乱れようとも、行手に危険が蟠ろうとも、深夜であろうとも、辻斬が流行ろうとも、ひとたび病家の迎えを受けた以上は、事を左右に托してそれを謝絶るような先生ではありません――武士が戦場へ臨む心で、こうしてほうつき歩くのであります。

好い心持で、独言を言いながら、第六天の前まで先生が来た時に、

「えーッ、危ないよ」

路次のところから、警告を与える声がありました。

「誰だい、危ねえと言ったのは誰だい、拙者は長者町の道庵だよ、十八文だよ」

「先生、危ねえ、いま柳橋で斬合いが始まってるんだ、そっちへおいでなすっちゃいけません」

「ナナ、ナンダ」

道庵は酔眼をみはって、路次口の暗いところを見込むと、縁台の下に隠れて、そこから先生に警告を与えたのは、やはり、先生の名前を知っている地廻りの若い者と思われます。

それを聞くとどうしたものか、先生の気が忽ち大きくなりました。

「ナ、ナニ、斬合いだ、斬合いがどうしたんだ、ばかにしてやがら、斬合いなんぞにおどっかする道庵とは道庵が違うんだ」