Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
」
道庵は手負を抱き起して、一方には自分の羽織を脱いで、その肩先の創口をしっかりと捲き、血留めをしておいて、さて応急の手当を試みようとしたけれど、遺憾ながら、それはもう手後れでありました。打倒れた途端に、斬られた右の肩先から、ほとんど全身の血を土に飲ませてしまい、道庵先生の羽織一枚は、グチャグチャになってしまい、みるみる、そのさむらいの面は蝋のように変じて、道庵に抱えられながら、虫の息が、ついに断末魔の息となり、やがて眠るが如く縡切れてしまいました。
ここで道庵が人を呼ぶか、どうかすればよかったのだが、この時分は、酔眼いよいよ朦朧として、意地にも我慢にも眠くなって堪らないようでした。斬られたさむらいの屍骸を抱え込んで、どう始末しようという当てがあるでもなく、朦朧たる酔眼を、幾度も幾度もみはって、
「扁鵲の言いけらく、よく死すべきものを活かすにあらず、よく活くべきものを活かしむるなり」
こんなことを言いながらも、多少は正気があると見えて、有らん限りの力を入れて、その死骸をせめて往来の片端へでも運んでやろうと、努力を試みているもののようです。しかしながら、それは蟻が一生懸命で生殺しの虻に取りついているように、ズルズルと引張っては、またはなしてしまい、また引張っては離れ、離れては引張り、引張っているうちに自分の