Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

六

うちで、拙者が目をかけてやったのを忘れやすまい、江戸へ出て来たんなら、出て来たと拙者のところへ、一言の挨拶があっても悪い心持はしねえ、あの目がよ、あれでじいっと心がけをよく養生をしていりゃあ、どうやら物になる眼なんだが、あの心がけじゃ物にならねえや、いい気味だ、あん畜生――いい気味はいい気味だが、今、どこに何をしているんだ、ああして朝湯に来るんだから、この近所にいるんだろう、近所にいるんなら近所にいるで、とかく近所に事勿れ……ところが、どうだ、悪いことはできねえもんだなあ、この晒の切れが、ちゃんと流し元に落っこっていたやつを、人もあろうにこの道庵に見つけられちまった」

何か重大な発見でもしたかのように、道庵は息せききって走りつづけているけれども、一向、何を追っているのだかわからない。四辺をキョロキョロ見廻したけれども、それらしいものは何者も見えません。

さきに、掻き消すように朝湯を抜け出でた盲目の怪人は、四ツ角に待たしておいた手駕籠に乗って、いずこともなく飛ばせてしまったその後のことであります。

六

下仁田街道から国境を越えて、信州の南佐久へ入った山崎譲と七兵衛は、筑摩川の沿岸を溯って、南へ南へと走りつづけます。