Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
「そいつはいけねえ、先口と言えばこっちに割があるんだ、これ見ねえ、この通り、蜘蛛の巣だらけ煤だらけになって、骨を折ってようやく取り出して来たものだ、くわえ煙草で懐ろ手をしている奴に渡せるものか」
「そりゃまたよくねえ、立ってるものは親でも使えということがあるじゃねえか、おれだってなにも兄貴をこき使って、くわえ煙草で澄ましていようという不了見じゃねえが、一足後れたのがこっちの不運さ、そんなことを言わずに貸してもらいてえ」
「一足後れたのが手前の不運だから、諦めるがいいや、今日のところは兄貴に譲らなくちゃならねえ」
「ところが、そういかねえのだ、約束をきめて来たんだから、持って帰らねえと、がんりきの面が立たねえというものだ、どうか弱い弟を憐んでおくんなさいまし」
「そう言われるとこっちも同じことだ、これを持って帰らねえと七兵衛の沽券が下る、まあまあ兄貴に譲れ」
「そうなると兄貴、おれも意地だから、腕にかけても……と言いてえが、兄貴は両腕そろっているが、おれは悲しいことに一本足りねえ、そうかと言って、みすみす兄貴に譲って引くのも業腹だから、ここでうまく、馴れ合っちまおうじゃねえか。