Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
一本の傘の下に二人の人が、雨を凌いでやって来るのは同じこと。またその二人が、一方が男であり、一方が女であることも同じだが、あちらのは、女の人がお高祖頭巾で覆面をしているのに、男の方は素面です。お高祖頭巾の女の面つきはわからないけれども、素面でいる男の方は、一目見てもそれとわかる宇治山田の米友に紛れもありません。
米友はあの通り背が低いのに、お高祖頭巾の女は人並よりこころもち高いくらいですから、この相合傘はあまり釣合いが取れません。第一、宇治山田の米友というのが相合傘の柄ではありません。お高祖頭巾の女がその番傘をかざして、米友は気の毒そうに例の杖をついて、その傘の下に歩いて来ましたが、柳橋を渡りかかると、怪訝な目をして橋の上をながめます。それから神田川の水の流れを、何か思案ありげにながめて渡ります。
「ね、あの晩、この橋の上に立っていた人は、わたしはたしかに見たことのある人のように思いました」
お高祖頭巾が米友に向ってこう言いました。このお高祖頭巾の女というのが、藤原のお銀様であることは申すまでもありません。お銀様がそう言ったから米友は頷いて、
「そう言われると、おいらもなんだか見たことのある人のような心持がするんだ」