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Japanische Klassiker mit Furigana

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てんしゅかくのおと

天主閣の音

国枝 史郎

Lesen Sie 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.941 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

よりより家来達は相談した。

「香具師の素性を調べようではないか」「お半の方の素性にも、何んとなく怪しい節がある。これも調べる必要がある」「何をご密談なさるのか、それを立聞く必要がある」「何処へご微行なさるのか、これも突き止める必要がある」

そこで家来達は手分けをし、専門に調べることにした。みんな結局徒労に終った。香具師の素性もお半の方の素性も、掻暮見当が付かなかった。微行毎に尾行を付けたが、何時も巧妙に巻かれて了った。密談立聞きに至っては、殆ど絶対に出来そうも無かった。広い座敷の真中に坐り、四方の襖を開け放しそこで小声で話すのであった。近寄ることさえ出来なかった。

傍観するより仕方無かった。

真相の不明ということは、物の恐怖を二倍にする。

城内を罩めている不安の気持が、よくそれに宛嵌まった。

で、家来達は次第々々に、神経質になって行った。

搗てて加えて、天主閣では例の奇怪な唸き声が、此頃益々烈しくなった。

こうして時が経って行った。

だが其中家来達は、意外なことを知ることが出来た。お半の方と香具師とが、同じ穴の貉では無く香具師としてはお半の方を憎みお半の方としては香具師を憎み、互に競って宗春公へ、中傷しているということであった。