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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.161 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

六

六

私はフト、田中館愛橘博士が、明治二十年頃米国から日本へ持って来た、最初の蓄音機の吹込レコード、当時は錫箔を置いた金属板でしたが――それを逆に廻して、日本語はローマ字で書くのが一番適切だと知ったという話を思い出しました。これは老博士御自身の口から聴いた事ですが、――世界の何処にも、レコードに吹込んだ言葉を逆に廻して、立派に意味のある言葉に聞える国語は無いが、其処へ行くと日本語は「大馬鹿」(OBAKA)と吹込んだレコードを逆に廻すと、「赤帽」(AKABO)とはっきり聞える。これほどローマ字で書いてピタリと当てはまる構成を持った言葉があろうか――と博士は仰しゃるのです。

私はそれを知っていたばかりに、鈴子夫人を救うことが出来ました。

が、差し当り、このレコードは逆に廻して吹込んだものとわかっても、在来の蓄音機では、レコードを逆に廻す方法はありません。

そこで私は知っている技術家に頼んで、大急ぎで逆に廻る蓄音機を設計して貰いました。その製造に十日ばかり費した為に、出来上ったのは、鈴子夫人と森川森之助の結婚式の前の晩で、丁度その晩は、鈴子夫人のお別れの会に、私共友人達が招待されている時でした。