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Japanische Klassiker mit Furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme

Aozora Bunko

妖虫の触手

探偵も時には手品師の真似をしなければならない。わしはこれで、奇術師に弟子入りしたこともあるのだよ」

守青年は、三笠氏の手から、万年筆程の小型懐中電燈を受取って、穴蔵の壁から天井を照らして見た。

天井までは二間余りもある。壁には何の手掛りもない。翼でもなくては、唯一の出入口の上げ蓋に手は届かぬ。その上、上げ蓋の下には頑丈な掛金がかかっているし、繩梯子を投げた所で、天井に鈎のかかる箇所は全くない。

三笠探偵の手品とは一体どの様なことであろう。又、この小さな円筒形の金属が、穴蔵を抜け出すのに何の役目を勤めるのであろう。

妖虫の触手

丁度その頃、妖虫の餌食と狙われた相川珠子の家には、又別様の激情が起っていた。

家庭教師の殿村夫人は、珠子が床についていたし、頼みに思う守青年が、三笠探偵を訪ねて不在になるので、その夜は相川家に泊ることにして、珠子のベッドの側に腰かけて、震え戦く少女を慰める役目を引受けていたが、守が出かけて間もなく、その殿村夫人が、何か顔色を変えて、慌しく主人操一氏の居間へ駈け込んで来た。

「旦那様、ちょっと、早くいらしって下さいまし、お嬢様のお部屋へ」