Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどものびょうき

子供の病気

芥川 竜之介

Lesen Sie 子供の病気 (こどものびょうき) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.633 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

「じゃU病院にしましょう。近いだけでも便利ですから」Sさんはすすめられた茶も飲まずに、U病院へ電話をかけに行った。自分はその間に妻を呼び、伯母にも病院へ行って貰うことにした。

その日は客に会う日だった。客は朝から四人ばかりあった。自分は客と話しながら、入院の支度を急いでいる妻や伯母を意識していた。すると何か舌の先に、砂粒に似たものを感じ出した。自分はこのごろ齲歯につめたセメントがとれたのではないかと思った。けれども指先に出して見ると、ほんとうの歯の欠けたのだった。自分は少し迷信的になった。しかし客とは煙草をのみのみ、売り物に出たとか噂のある抱一の三味線の話などをしていた。

そこへまた筋肉労働者と称する昨日の青年も面会に来た。青年は玄関に立ったまま、昨日貰った二冊の本は一円二十銭にしかならなかったから、もう四五円くれないかと云う掛け合いをはじめた。のみならずいかに断っても、容易に帰るけしきを見せなかった。自分はとうとう落着きを失い、「そんなことを聞いている時間はない。帰って貰おう」と怒鳴りつけた。青年はまだ不服そうに、「じゃ電車賃だけ下さい。五十銭貰えば好いんです」