Japanische Klassiker mit Furigana
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しきぶこうじ
式部小路
泉 鏡花
Lesen Sie 式部小路 (しきぶこうじ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.847 Zeichen · 149 Bildschirme
またきっと、心臓というものはどこにあるの、なぜ御飯が肺の方へ行かないで済むの、誰の目も綺麗なのは、水晶と同じ事か、なぞとね、番ごと聞く。第一顔を見ると直ぐに清書を持出して、お目にかける。
(いや、まずいこと、私の医者のようだ、)と串戯にいうのを真にうけては、せっせと双紙に手習をするんだそうで。
そうかと思うと、時にゃがらりと巫山戯出して、肩へつかまる、羽織の紐を引断る、膝を打つ、擽る。車夫でも待っていないと、帰りがけに門口からドンと突飛ばす、もっともそんな日は、医学士の姿を見ると、いきなり飛出して框から手を引いて、すぐそのまんまで二階へ上ろうとするから、狭い階子段、で行詰ってどちらへも片附かずに、揉む。
しなだれるんじゃない、媚びるんじゃない、甘えるの。派手なんじゃない、騒々しいので、恋も情もまだ知らない、素の小児かと思うと、帰ったあとを、二階から見送って、そのまま消えそうに立っている。
そこで附添いが引手茶屋の婆さんだから、ちとその、そこン処をな。
何して、いい工合に、と独りで気を揉んだそうですが、さて口へ出そうとすると、何となく、気高い、神々しい処があって、戦場往来の古兵が、却って、武者ぶるいで一言も出んのだそうで。