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Japanische Klassiker mit Furigana

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しきぶこうじ

式部小路

泉 鏡花

Lesen Sie 式部小路 (しきぶこうじ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.847 Zeichen · 149 Bildschirme

Aozora Bunko

三十四

襟をあたって寒くなった、と鏡台をわきへずらしながら自分で着た。けれども…………愛吉は、女房の藍微塵のを肩に掛けて、暗くなった戸外へ出たが、火の玉は、水船で消えもせず。湯の中で唄も謡わず。流で喧嘩もせず。ゆっくり洗って、置手拭、日和下駄をからからと帰り途、式部小路を入ろうとして、夜目にもしるき池の坊の師匠が背戸の山茶花を見て、しばらくしたのは、恐らく生れてはじめてであったろう。

その石壇の処まで来て、詩人が月宮殿かと想うように、お嬢さんの家を見た時、小ぢんまりとした二階の障子に明がさした。

思わず頸をすくめたが、密と格子から沓脱の下駄を覗いて、すぐに遠慮して廂合に潜り込んで、ちょろりと台所へ面を出すと、開けてはあったが、働いても居ず、女房は長火鉢の傍に、新しい能代の膳立をして、ちゃんと待っていた、さしみに、茶碗、煮肴に、酢のもの、――愛吉は、ぐぐぐと咽喉を鳴らしたが、はてな、この辺で。…………

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三十四

食事が済む、と探訪員は、渠自から経典と称する阿夏品を誦しはじめた。これよりさき金之助は、事故あって、訪問の客に面会を謝する意を、附添の看護婦に含ませたことはいうまでもない。