Japanische Klassiker mit Furigana
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しきぶこうじ
式部小路
泉 鏡花
Lesen Sie 式部小路 (しきぶこうじ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.847 Zeichen · 149 Bildschirme
四
はッと急いたか、瞼を染めた、気の毒なが色に出て、ただ、涼しい声で、
「はい、」といった。
「お差支はないでしょうか。」と、少しずつ顔を擡げる。
「御免なさいな、私は、あの、この家のものじゃないんですよ。」
「へ、何、お邸のお嬢様ではいらっしゃいません?」
「貴下、不可いんですかねえ、私もやっぱり見に来たものなの。」
小男は胸を反らして笑い、
「成程、御夥間ですかい。はははは、可うございましょうとも。まあ、お掛けなさいまし。何ね、愚図々々いや今の口上で追払いまさ。貴女がお嬢様でも、どうです、あれじゃ厭とはいえますまい。」
「そう、ほんとうにお上手ね、」と莞爾した。
ちとこの返事は意外だったか、熟と瞻ってて、
「や、」帽子の下で膝をはたり。
「人形町においでなすった、――柳屋のお夏さん。」
四
「今日は、今日ア、」
かみさんが、
「ああい、」といって、上框の障子を閉め、直ぐその足で台所へ、
「誰? おや、床屋さん、」
「へへへへへ、どうも晩くなりまして済みません、親方がそう申しました、ええ、何だもんですから、つい、客がございましたもんですから、」
袷の上に白の筒袖、仕事着の若いもの。