Japanische Klassiker mit Furigana
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しきぶこうじ
式部小路
泉 鏡花
Lesen Sie 式部小路 (しきぶこうじ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.847 Zeichen · 149 Bildschirme
「余程お口惜しかったって、そうでしょうとも。……新しい秤をね、膝へかけて二ツにポッキリ。もっともお足に怪我をしておいでなすった、そこいらぞッとするような鼻紙さア。
屑の籠を引っくりかえして、
(モ死にたいねえ、)ッて、思わず音を出したよ、とおっしゃるんですがね、そのままお足を投出して、長くなって、土手に肱枕をなすったんだとさ。
鵯がけたたましく啼き立てる。むこうのお薬園の森から、氷川様のお宮へかけて、真黒な雲が出て、仕切ったようにこっちは蒼空、動くと霰になりそうなのが、塗って固めたようになっていたんですって。
その中へね、火の粉のようなものが、ぱらぱらと飛ぶから、火事かと御覧なさると、また白いものが、ちらちら交ったのを、霰かと見ていらっしゃると、またきらきらと光るのを、星かとお思いなさる内に、何ですとさ。見る見るうちに数が殖えて、交って、花車を巻き込むようになると、うっとりなすった時、緑、白妙、紺青の、珠を飾った、女雛が被る冠を守護として、緋の袴で練衣の官女が五人、黒雲の中を往来して、手招をするのが、遠い処に見えましたとさ。
ずッと立って行こうとなさると、直ぐに消えて、隠れていたお月夜になったそうで。