Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おもいちがいものがたり
思い違い物語
山本 周五郎
Lesen Sie 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.840 Zeichen · 88 Bildschirme
と云いまして、それでつまり、……肩の付根のところを抜いてしまったんです」
「もういい、また頭がきんきんし始めた」
右衛門は溜息をついて云った。
「水を一杯持って来て呉れ」
その夜のことである。およそ夜半じぶんであったろう、突然どこかで烈しい物音が起こり、人の悲鳴が聞えたので、右衛門はがばとはね起き、脇差を取り、行燈の掩いをはねて、「なにごとだ、なんだ」と叫んだ。そのときもすぐ「金吾」という名が頭にうかんだのであるが……襖をあけて隣りの部屋から妻が顔を出した。
「あの物音はなんだ」
「わたくしにもわかりませんけれど、泰三さんのお部屋のようでございますよ」
「なに泰三……」
右衛門は廊下へ出て、脇差を右手に持ち替えてそっちへいってみた。……泰三の部屋は玄関に近く、家扶の相模忠之進と隣り合っている、近づいてゆくと、そこでは誰かわからないがいま盛大に組討ちをやっていた。
「――誰だ、なに者だ」
右衛門はこう叫んだ。
「――曲者です」
泰三の声である。続けて忠之進の苦しそうな声も聞えた。
「――曲者です、この、あっ」
「――どうだ、うぬ」
どたんばたん、ばりばりと襖や障子が毀され、組んずほぐれつ格闘している。