Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
Lesen Sie 恐怖王 (きょうふおう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.038 Zeichen · 133 Bildschirme
顔色が変にあさ黒かったが、あれもひょっとしたら、巧なお化粧をしていたのではあるまいか。イヤ、そればかりではない。あいつの声は、何だか変であった。作り声をしていたに違いない。などなど、次から次へと疑いが起って来た。
一方毒薬の為に意識を失ったゴリラ男は、普通の人であったら即死すべき所を、野獣の様な体質のお蔭で、辛くも一命はとりとめたけれど、意識を取り戻しても唖の様にだまりこくって、ただ寝台の上に長くなったまま、身動きさえしなかった。気が違ってしまったのかも知れない。自然取調べは少しも進捗しないのだ。
その騒ぎがあってから七日目の夜のことである。
大江蘭堂は喜多川夏子に誘われて、鎌倉の彼女の家に客となっていた。
恋人を失った悲しみはまだ新しかったけれど、この若く美しき未亡人の、友達としての魅力は捨て難きものがあった。
彼女は美しかったし、お金持であったし、蘭堂に並々ならぬ好意を寄せていたし、その上、女に似げなき推理の名手であって、D百貨店の花嫁人形事件では、謂わば専門家の蘭堂をさえアッと云わせた程だから、最初は嫌い抜いていた蘭堂も、いつの間にかこよなき友達としてつき合い始めたのは、無理もないことであった。