Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
Lesen Sie 恐怖王 (きょうふおう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.038 Zeichen · 133 Bildschirme
米粒が五つ
警視庁の名探偵達も、「こんな狐につままれた様な事件は初めてだ」と腕を拱くばかりだ。
ところが、賊の方では、何たる図太さであろう、其筋の捜査を手ぬるしと考えたか、実に奇々怪々の手段を弄して、秘し隠しに隠すべき我が名を、「これを見よ、これでも君達は俺を捕えることが出来ぬのか」と、繰返し繰返し市民の前に発表した。
この賊、若し狂人でなかったなら、百年に一度、千万人に一人の、凶悪無残比類なき大悪党と云わねばならぬ。
米粒が五つ
お話変って、被害者鳥井青年の友達に、大江蘭堂という奇妙な号を持つ探偵小説家があった。蘭堂なんて老人臭い号に似ず、まだ三十歳の青年作家で、その奇怪なる作風と、小説ばかりではなく実際の犯罪事件にもちょいちょい手出しをする物好きとで、その方面では可成有名な人物であった。
その様な蘭堂であったから、鳥井青年変死の顛末を聞くと、友人の不幸を嘆いたばかりでなく、一歩進んで、この奇怪なる犯罪事件を自から探偵して見たいという野心を抱いているらしく、友達などにもその意嚮を漏らしていた。
彼はまだ独身のアパート住いであったが、恋を知らぬ木念仁ではなかった。