Japanische Klassiker mit Furigana
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ばしゃ
愛の挨拶・馬車・純粋小説論
横光 利一
Lesen Sie 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.699 Zeichen · 78 Bildschirme
しかし、そう思うと同時に、彼は自身の卦が当った満足よりも、もし自分が花江と結婚して夢殿村から花江を奪いとってしまうような結果にでもなったなら、患者達はそのままの勢いで、自分へ向って急に押しよせて来るのではあるまいかと、もう早や由良はまだ誰からも頼まれもしない花江との結婚について、いつの間にかひとり頭を巡らせているのであった。――これでは自分は、うっかりすると花江と結婚するのではないか。しかし、あの花江をあのままにしとくのは、何としても気の毒だとそう思う心は、自分からはどうしても消すことは出来ないのだと由良は思った。
その夜、由良は学者のところから帰って来ると筮竹を出して、こっそり自分と花江との運命をみようとした。しかし、信者にひとこと花江と自分のことを云われただけで、それ以来、こんなにも急激に花江のことを思い出した自分なら、もし自分のみた卦に花江と結婚するとでも出てしまったら、自分の心はいよいよその卦のままに動き出しそうに由良には思われてならなかった。ことに、その日は自分のみた夢殿村の卦が美事に当って、由良には自信が出始めて来ているのだ。自信が出れば卦はますます当りがついていくのである。