Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Lesen Sie 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.820 Zeichen · 235 Bildschirme
宋の時代、十三世紀のはじめに書かれた「棠陰比事」に「従事凾首」という、面白い話がある。ある豪家の主人が商人の妻に恋し、妻を盗んで隠し、その代りに別人の死体の胴ばかりを商人の家に残しておく。当然、商人に妻殺しの嫌疑がかかるが、結局、豪家の主人が隠しておいた別人の首が発見されて、商人の妻と考えられていた死体の胴と継ぎ合わせて見ると、ピッタリ合うので、死体は商人の妻でなかったことが判明し、豪家の主人が罪におちいるという話である。
この話は明の馮夢竜が編纂した「知嚢」にも「郡従事」と題して取入れられているし、また、「知嚢」の和訳を主内容とした辻原元甫の「知恵鑑」にもはいっている。「知恵鑑」は西鶴の「本朝桜陰比事」よりも早く、万治三年に出版された原始探偵小説書である。
日本では古事記、日本書紀、あるいは今昔物語、古今著聞集などに「首のない死体」の話があるのではないかと思うが、まだ確かめていない。今わかっているのは、ずっと後の時代の「源平盛衰記」巻第二十「公藤介自害事」と、これにつづく「楚効荊保事」に和漢の例話がある。しかし、公藤介の方は欺瞞のためというよりは、名を惜しんで我が子に首をはねさせる話だし、両話ともトリックの意味はうすいように思われる。