Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Lesen Sie 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.820 Zeichen · 235 Bildschirme
彼は美青年の悪計が、いよいよ熟して、ついに細君を手に入れたと考えたに相違ない。親友の財産と妻を盗もうとしている。これは捨てておけない。しかも、その親友は、行方不明になったまま、一週間たっても、十日たっても帰って来ない。いよいよただごとではないぞ、あの顔の美しいヨタ者め、おれの親友を殺したにちがいない。このまま放ってはおけない。警察に知らせて調べてもらうほかはない。詩人がそう考えたにちがいないと、変身男は直感したのである。
とつおいつ思案のすえ、変身男は、細君と遠方へ駈けおちすることを考える。それにはいろいろ、うまい理由をこしらえなければならないが、ともかくも、細君を納得させることができそうである。その、せっぱつまった状態になったとき、まるで悪夢が醒めるように、変身が元にもどることになる。食堂でうたたねをして、ふと目覚めると、自分はもとの五十歳の中年商人に戻っていたのである。やれやれという安堵と共に、折角の冒険が惜しいような、異様な気持である。
彼は、元の商人として家に帰る。不在の理由は、突然商売上の急用ができて、外国へ旅をしたといえばすむのだ。そして、美青年は行方不明となり、もと通りの夫婦生活がはじまる。