Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Lesen Sie 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.820 Zeichen · 235 Bildschirme
被害者の顔を見わけられなくするのには、二つの方法がある。一つは、死体の顔を鈍器でつぶすとか劇薬で焼くとかして、見分けられなくする方法。もう一つは、首そのものを死体から切断して隠してしまい、首のない胴体だけを残しておく方法である。その際、被害者の着物をはいで別人の着物を着せておくことはいうまでもない。
しかし、そんなことをしたところで、人間というものは、からだのどこかに、目印になるような特徴を持っているはずで、肉親の者、たとえば妻なれば、たとえ首がなくても、夫の死体の見分けはつくわけだから、探偵小説で、このトリックを使う場合には、そういう肉親の者のいないような被害者を登場せしめるほかはないのである。
まだもう一つ難関がある。指紋法が発達した現在では、もしその被害者が前科者か、そうでなくても、警察の指紋原紙に、自発的に指紋を捺したことのある人物であれば、たちまちわかってしまうし、また被害者の家庭の器物などに残っている指紋と、死体のそれとを比べて見れば、にせものはすぐ暴露する。だから、犯人は顔を見分けられなくした上に、両手の指先をも、叩きつぶすか、切断しておかなければならないわけだ。