Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
「でも」
云いかけるところへまた、廊下走り忙しい取次の跫音だった。
脇部屋の口元で、直ぐその取次が、
「中島砦の梶川一秀どの、ならびに、善照寺砦の佐久間信辰どのらも、唯今、相前後して、伝令のお使者、早馬でお着。――御報告の急状二通、お手許まで御披露を仰ぎまする」
と、声も物々しい。
玉砕を覚悟している前線からの報告は、皆、悲壮を極めたものだったが、今届いた中島、善照寺の二陣地から来た飛状にも、
(おそらくこれが、御本城への、最後の通牒と相成るでしょう)
と、してあった。
防禦線の味方から本城への遺書にもひとしいその書状にはまた、敵の大軍の配置と明日の彼の攻勢とが予測してあった。
「もういちど、敵の配置の所だけを読みあげてみい」
信長は、脇息を抱いたまま、代読の柴田権六へいった。
権六は、書状のうちの、箇条書になっている部分だけを、信長に限らず、居並ぶ一統の者へも聞かせるように再読した。
一……丸根砦への寄手
約二千五百余
主隊長松平元康
二……鷲津砦への寄手
約二千余
主隊長朝比奈主計
三……側面援隊三千
主隊長三浦備後守
四……清洲方面前進主力