Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
――武人の甲冑は、故に、神官の衣冠にもひとしい清浄と私は信じますが」
権六は、黙った。
そして階下を繞って土下座する二百余騎の将兵の中に、彼も坐った。
信長は、土器を干す。
拍手を高く打って、願文を読んだ。
粛として、将兵はみな、低く頭を下げ、各※(二の字点、1-2-22)の心の鏡に、神を映し取って、祈念の眼をふさいでいた。
その時、唐突に、神殿の奥で、甲冑の触れ合う響きがして、二度まで拝殿の梁が揺れた。信長は、物の怪にでも憑かれたように、屹と眼をつりあげて、
「おお、あれ聞け。信長の祈願をよみし給うて、きょうの合戦に、神々はわが軍の上に御加勢ありと覚ゆるぞ。――私心我慾、小功の争いなど、穢き戦すな。勝たば、天が下のため、捨身奉公、負くるも、天が下、恥なき武士の死に方せよや」
廻廊に出て、こう呼ばわるように演舌すると、士卒も大地から生え立って、わあと、信長より先へ、参道を争って駈け出した。
信長が熱田の宮を出た時には、所々から馳せ集まった兵数が、いつの間にか、千に近くなっていた。
信長は、熱田神宮の春敲門から南門を出て、再び、馬に乗った。
その日の乗馬月輪は、栗毛の牝馬であったという。