Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

「下郎ッ」

と、いうと、槍の蛭巻から、斬って落していた。

小平太はあわてず、

「心得た」

と、すぐ柄を投げすてて組まんとばかり、体当りにとびかかった。

義元、

「さはさせじ」

と、膝を折り敷き、八龍の兜を前かがみに、跳びついて来る小平太の膝首のあたりを、がつんと横に払う。

太刀はよし、必死。鎖膝行袴から火を出した。小平太の膝がしらは、柘榴のように割れ、傷口から白い骨が出た。

「――あッ」

小平太は、尻もちついた。義元もまた、前へのめって、兜の前立で地を打った。その顔を上げたかと見えた途端、

「毛利新助秀高!」

と、横あいから名乗った男が、義元の首へ組みついて、諸倒れに転がった。

義元の胴が、ために伸びると、先に突かれた槍の傷口から、噴き出すような血が迸った。

「ちッ、ちぇッ」

下になった義元は、毛利新助の右手の人差指に噛みついていた。掻切られた首となってからも、義元の紫いろの唇と鉄漿染の歯の中には、白い指がはいっていた。

虹

味方が勝ったのか。敵が勝っているのか。

いったいまた、自分らは、どう戦ったのか。

「おウいッ、ここは何処だ」

藤吉郎は、息をついて、われに回ると、誰へともなく、辺りへ呶鳴った。