Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

「それよ」

藤吉郎は、膝を叩いて、

「実をいえば、この方の望みといえばそこにある。戦となればぜひないが、仇には死なじ、五十年はおろか、百歳までも、寧子と仲よう添い遂げたい」

「またいうたな。さあ舞え、さあ舞え」

犬千代のせめたてる後について、他の大勢も、舞え舞えと、囃したてた。

「ま、待ってくれ。今に舞うから。今に舞う」

囃す友人たちを、一時のがれにそう宥めておいて、藤吉郎は、

「寧子、酒がないぞ。――この銚子も、この銚子も。ほ、これにもない」

手を叩きながら厨のほうへ振り向いて呼ぶ。

「はい」

と、寧子の返辞だった。

銚子を持って、いそいそとそれに見え、藤吉郎にいわれるまま、素直に酌もする、客たちへも悪びれない。一座のていを、ただ呆れ顔に眺めているのは、縁者どもや、寧子をいつまで子どもとしか見ていなかった親どもだけで、寧子の心はもう良人と一つになりきっているし、藤吉郎もその新妻へ、もう何の気づまりも体裁もなかった。

犬千代は、さすがに、寧子と面と面を合わせると、持前の多感な血が、酒の気と共に、顔へ出てくるのをどうしようもなく、

「これは寧子どので在したか。