Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
「案のじょう、この先に、木挽どもの寝小屋があったので、申しうけて来た」
彼は、光春の手へ、鍬を渡しながら云った。光春は、黙って、それを持つと、
「何処に……」
と、地相を選ぶように、辺りを見まわしていた。
「なるべく、小道からも、遠い所がよい」
光秀は、林の中へはいって、仄暗い木蔭の大地を指さした。光春は、鍬を振って、そこの土をぼくぼく掘った。
「もっと。……もっと」
光秀は、彼の掘る穴へ、そういった。光春は、首級のみ埋ける大きさに掘っていたが、光秀は、人間のはいるような穴になるまで、促していた。
やがて、光安入道の首級は、土中へ深く――そっと置かれた。光秀は、身にまとっている具足をすっかり解いて、
「光春。おぬしのも、脱ぎすてて埋けてしまえ」
と、命じた。
太刀のみ残して、二人は鎧や持物のすべてを、光安入道の墳墓のうちへ共に埋けた。
そして、雑人の着物を着、山袴を穿いたが、余りに、立派な太刀が目立つので、鞘は布で巻き、柄頭の金具は取り捨て、野武士か何ぞのように、わざと無頼な恰好に、それを腰へ横たえた。
「水はないか」
「水は流れておりますが、汲む器がございませぬ」