Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
「わたしは、七内様について、七日ほど前にやって来ましたが、用が出来るまで、針売りをして歩いていろというので、こうやって針売りをしていますが、一体全体、これは何のためにやっているんですか」
「まだ聞いていないのか」
「七内様は、何も話してくれないので。――人間、目的の分らないことをやっている程、苦しいことはございません」
「そうだろう」
「彦十様には、その目的が、分っているのでございましょ」
「分らなくて、弓の直しなんかして歩けるか」
「お願いですから、一つ聞かせて下さいませんか」
「こんな所で、立話はできぬ。……だが、七内殿も意地悪な。何のためかも知らず、うろついていたりしたら、汝の生命も危ない」
「ヘエ。生命にかかわりますか」
「汝が捕まれば、この地へ入り込んでいる一党の密計が露見してしまう。……そうだ。仲間一同のためでもあるから、汝も呑みこんでおくように、説いてやろう」
「ありがとうございます」
「だが、ここでは人目につく」
「あの社の裏ではどうですか」
「うむ。……ちょうど腹も空いた。弁当でも喰いながら」
彦十は先に歩いた。日吉も従いて行った。何神社か、森に囲まれて、ひっそりしていた。