Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

「……あッ」

「お……」

と、斎藤方の家臣も目をみはり、日頃の道化た身装の彼ばかり見つけている、織田の家中も、びっくりした。信長は、ただ一人、ずかずかと大股に、橋廊下を踏み渡って、

「案内の者!」

と、前後を見、

「近侍たちを連れ纒うては寛ぎがならぬ。信長ひとりにて、舅殿へお目にかかろうず」

そこでまた、声を高うして云った。最前、出迎えに出た、家老の堀田道空は、信長が自分を眼にも入れていない様子に、むっとして、

「こなたへ、お早うお出でられ候え」

と、少し子供扱いにして、それへ来合わせた春日丹後と共に眼くばせして、

「これは――」

と、本堂の両側に、ぴたと座を構え、わざと厳しく、

「斎藤山城守が家老職、堀田道空にて候。お見知りおかれませ」

「てまえは、老職春日丹後。――御遠路、つつがなくお渡り遊ばし、折ふし、日もうららかにきょうの御対顔、祝着にぞんじ上げ奉りまする」

左右から、こう色代しているまに、信長は、拭き磨いてある廻廊を、つつつと足を早め、

「ふム。……よう彫ってある」

欄間の彫刻へ、顔を上げ、そこらの武士――斎藤山城守道三が手飼の者ばかり数百名、ずらりと居並んでいる前を路傍の草ほどにも眼をくれず、真っ直ぐに通って行った。