Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
「心得てござります。……ただ今」
と、春日丹後は、座をすべって行った。
はてな?
彼は、道三の眼じらせが、何を意味したのか、ちょっと肚を酌みかねていたが、最初の気まずい主君の顔が、途中から晴々して、むしろ信長の機嫌をとる態度に変っていたので、さては、一度粗末でかまわぬと吩咐けた膳部を鄭重にせいと、云い直したのであろうと、その通り心を配って出してみると、道三は満足の様子に見えたので、心のうちでほっとしていた。
舅の道三と、聟の信長と。
ふたりの間に杯事があって、はなしはなお、気が楽になってきた。
「そうそう」
信長は、思い出したように、突然云いだした。
「山城どの。いや舅どの。時にきょうは、これへ参る途中、珍かな者に出会うてござる」
「ほ。どのような?」
「されば、舅殿と瓜二つの老いぼれが、民家の破れ窓より、信長が行列を、覗き見しておった。――初対面の舅殿なれど、初の御見とは思えぬほど、はてさて、最前の老いぼれはよう似かようてござった」
ははははと、その唇を、信長は半開きの扇子で隠した。
道三は、苦汁をなめたように、黙ってしまった。堀田道空も、春日丹後も、肌着に汗をにじませていた。