Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
末盛城には、信長の母公がいる。また、信長の弟、信行がいる。
「どうしようぞ」
敗軍を知って、母公は泣きおののき、信行は戦慄した。
逃げ帰った叛軍の将、柴田権六は、
「この上は、身に代えて」
と、頭を剃り、鎧をすてて、法衣になった。
そして、林佐渡と同道して――母公と信行をも連れて――翌日、清洲の城へ、謝罪に出た。
唯一の力は、母公の詫言であった。母公は、佐渡と権六から云いふくめられている通りに、信長へ三人の助命をすがった。
信長は、案外、怒っていなかった。
「免します」
母公へ、あっさり云って、それから、背に汗をして平伏している柴田権六へ、
「坊主」
と、呼んだ。
「……は」
「権六勝家ともある者が、なぜ頭など剃りこぼちたか。慌てた奴」
苦笑して――また、佐渡へ、
「そちもだ」
と、やや屹という。
「年がいもない奴のう。平手中務の亡き後は、そちをこそ、片腕とも頼んでいたに。――今となれば、中務を死なせて口惜しゅう思う」
信長は、落涙して、しばらく黙っていたが、
「いやいや、中務を自害させ、そちをも、謀叛人にいたしたは、皆、信長が不徳というものじゃ。――信長も以後はふかく反省しよう。