Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
武人の慣いとはいえ、良人の弾正は、ほとんど、清洲の城内か、戦場で寝泊りしていた。
結婚してから、まだ日も浅いが、妻とふたりで、家庭を楽しむような一日すら滅多にない。
その良人は、たまたま、きのうから家に帰って、休養していた。そして明日はもう清洲の城へ詰め、また幾月かは、この家で共に暮す日もない――と思っていた折も折なのである。
「……ま。困った子が」
と、おえつは当惑の眉をひそめた。
棟は離れているが、この小屋敷には、良人の老母もいるし、家族もいる。
(こんな童が、姉の子にいるのか)
と、思われるのも、嫁の身には、肩身の縮む気がするのだった。
だがその日吉は、良人の居間で、先刻から頓狂な声を出しつづけていた。
「あ! じゃ小父さんは、いつか河原で、大勢のお侍と一緒に、馬に乗ってたろ。あのお侍の中にいたんだろ」
「ウム、思い出したか」
「覚えてらい」
急に甘たれ声で――
「そんなら、おらの家と親類だもの。おらのおっ母さんの妹と、おじさんと、許婚だったんだろ」
と、馴々しくなる。
下婢を相手に、茶の間へ、食膳を出していた彼女は、日吉の言葉づかいや、野良で出すような大声に、冷々していたが、