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Japanische Klassiker mit Furigana

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ともぐい

日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集7

本庄 陸男

Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集7 (ともぐい) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.052 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

肩身が狭くて出面に出られんぞ。旦那はお前、旦那はな。」

「だから、よ。」

「みんな辛えぞ、みんなァ……」とあとは母親の何度となく繰りかえした泣きくどきになっていた。

そこへ裏口から隣りの内儀さんがはいって来た。まぶしそうにきょろきょろして内儀さんは腰をかがめた。

「お蔭様で――助かります。はい」

あわてて涙を拭いた母親が、わけもわからず答えた。

「はい。」

「戻んて来ることになっとった甚吉が、戦争で戻どれんので、今年の蒔付けはどうなるかと案じましたら、お蔭様で、明日は大勢で手伝うて下さるそうで――」それから内儀さんは云いにくそうに「――飯米を、五升ほど……何せ、お昼飯など出そうと思いますんけんど……」

「まさか、飯、食いに行くでもねえでしょう? お内儀さん。」

「そうだよ。全く。お父っつあ――」

そういって立ち上った清二を親爺はぎょろっと見上げた。

「な、お父つあ、来春俺が徴兵れたら、こりゃお互様のことになるだ。俺、一寸、行って来るよ。」

親爺は煙管の吸口をがりがり噛んでいたが、そいつをコツンと炉框にたたきつけてからゆっくり云った。

「早く帰って来るだね。ええか、ああ……」