Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんだっしゅつき

日本脱出記

大杉 栄

Lesen Sie 日本脱出記 (にほんだっしゅつき) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.254 Zeichen · 151 Bildschirme

Aozora Bunko

四

すぐ呼んで来ますから。」

ボーイはそう言って、何か小さな紙片を置いて行った。そして、それと入れかわりに、またほかのボーイが来て、大きな紙片を一枚テーブルの上に置いた。見ると、シャンパンのメニュだ。五十フランとか六十フランとかいう値段が書いてある。これや大変だ、と思いながら、前の小さな方の紙片を取って見ると、それには入場無料、飲物是非、とかいてある。

「ちょっと待っておくれ。」

僕は踊りの方に夢中になっているような顔をして、一とまずそのボーイをしりぞけた。そして、短かい裾を盛んにまくりあげては足を高くあげて見せる、その何とか踊りがすんで、そしてこんどは見物の男や女がおどり場一ぱいになって踊りだしたのを機会に、シャンパンの註文をききにくるボーイの来ないうちにと思って、とっとと逃げ出してしまった。

四

今パリではミディネットが同盟罷工をしている。

このミディネットというのは、字引をひいてもちょっと出て来ない字だが、ミディすなわち正午にあちこちの商店や工場からぞろぞろと飯を食いに出てくる女という意味で、いろんな女店員や女工員を総称するパリ語だ。そしてこのミディネットがやはり、正午のやすみ時間に、本職の労働以外の労働をするという話を聞いた。