Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 17.620 Zeichen · 36 Bildschirme
九月二日
九月十日
九月十一日
九月十三日
九月二日(水曜)
安積へ出かけた。
道ちゃんがなかなか来なかったんで待ち遠い様なせかせかしたいやな気持になった。
ドンタクをかしてもらう。
出水のあとの家がたおれたり畑が水びたりになって居るのを破られた鉄橋の上から見る。恐しい。
目がうるむ様な気がする。
夏の三等の旅はうんざりする。
九月十日(木曜)
夜東京から華子の病気が大変悪いと云う電報が来た。祖母様は止めるけれど明日の一番で立とう。いそがしく着物をまとめたりカバンをつめたりする。
軽い不安が絶えず身をおそう。
死ぬだろうとか何とか云う事は今思われない。
斯う云う経験のない私はやたらにあわてる。
気がせかせかして何にも手につかない。
九月十一日(金曜)雨
しとしとと秋の小雨のする中に
逝きし我妹の
幼き御霊よ
紅友禅の衣かなしや
被はれし身の冷かなれば……
事々に無く遺されし姉の心――。
失ひし宝もどさんすべもがな
かへがたき宝失へる哀れなる我心
九月十三日(日曜)雨
雨の中を行く。
青山の杉の根本の
永しへの臥床へ――。
九月二十三日(水曜)