Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
旧聞日本橋
であった。
産むなら女の子をうんでおけと――むべなるかなで、チンコッきりおじさんはその家のお父さんとして死んだので、実に大層もない葬式の列が編上げられて、死に果報なこととなったが、同時にこそばゆい華やかさでもあった。
最もその時分、角力の親方だとか顔役だとか、人気役者とかいえば、そうした突拍子もないお祭りさわぎの葬式もあったが、チンコッきりおじさんを知っているものには不思議な微笑をもって送られた。小禽が何百羽はいっていようかと思われるほどの大鳥籠、万燈のような飾りもの、金、銀、紅、白の蓮の造花、生花はあらゆる種々な格好になってくる。竜燈、旗、天蓋、笙、篳篥、女たちは白無垢、男は編笠をかぶって――清楚な寝棺は一代の麗人か聖人の遺骸をおさめたように、みずみずしい白絹におおわれ、白蓮の花が四方の角を飾って、青い簾が白房で半ば捲上げられ、それを幾町が間か肩にかつぎあげずに静々と柳橋から蔵前通りへと練り歩かれた。
それをまた迎える本堂は花を降らし、衆僧は棺をめぐって和讃の合唱と香の煙りとで人を窒息させた。しかもまた堂にみつる会衆は、片時もだまっていられないたちの種類なので、後側の方は、おとむらいなのかお浚いなのか、ともかく寄合には相違ないが忍び笑いまでする――