Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
道楽で、猿若町の芝居の囃子部屋にもいたりしたから、あの楽器へ、長唄同様な囃子をつけた。黒人がきくと、あらゆる囃子の手がもちいられてあって舌をまくというが、そのよき伴奏者のために、細い二本の絃は悲鳴をあげなければならなくなって、二絃琴の真のよさを失なった嘆きがある。もとより、江戸情緒風物をたすける、影の、軽い伴奏はあってよい、私のいうのは鳴ものにまくしたてられて、ヒステリカルにキンキンならされるのを惜むまでだ――
きんぼうに連れられて、あんぽんたんが二絃琴のおしょさんの家にいった時分には、もう家元芦船も芦雪も歿なっていた。直門に、芦質、芦洲、芦総、芦寿賀らが残っていた。きんぼうのおばさんがその藤舎芦寿賀なのである。
芦質さんという女が一番名望家らしかった。青白い、神経質らしい、その仲間でのインテリ夫人だった。薄い髪の毛を上品に、下の方へ丸めた束髪で、白っぽい風通か小紋ちりめんを着て、黒い帯をしめ、金歯が光っていた。斯波さんの御新造といって、浅草蔵前の方にいたから、もしかすると民政党の斯波氏のおうちの方だったかもしれない。この女が家元の格をもっていたようだった。